展示案内
menu

令和8年度秋季特別展 国立民族学博物館コレクション 世界のかわいい衣装

【展覧会概要文】

さまざまな気候や風土、社会や文化のなかで育まれた世界の民族衣装、その魅力は、鮮やかな色彩、地域独特の文様、形や着方の多様さにあります。また、そこにはりやめ、刺繍ししゅう、レースなどの多岐にわたる手仕事をみることができます。わたしたちの生活をいろどってきた衣装は、その土地に生きる人びとの知恵や創意工夫、技術によって伝えられ、現在まで受け継がれています。

衣装は単に身体をおおうものではありません。装いとは、わたしたちの最も身近にあり、人間にとって普遍的ふへんてきな行為です。同時に、さまざまな環境、文化的背景、社会との関わり、そして人間の創造力が組み合わさって多様に展開するものでもあります。

本展では、国立民族学博物館の所蔵品の中から、「かわいい」をキーワードに選んだ1920年代から現在までの衣装や装身具約120点を紹介します。それらを身につける人びとに思いをせることは、世界の多様な生活や文化を知ることであり、私たちの装いについても問い直す好機となることでしょう。

チラシ(PDF:1.55MB)


【展示構成と主な展示品】

第1章 ヨーロッパ

上着 スロバキア 1990年収集 国立民族学博物館蔵

スロバキアの男性用上着。厚地の羊毛地に、極太の刺繍ししゅう糸で花文様が刺繍されている。赤いフェルトによるパイピングと半円形のフェルトの装飾が、一層鮮やかな印象を与えている。

帽子 ルーマニア 1997年収集 国立民族学博物館蔵

ルーマニア北部のクルージュ県の男性が夏の祭りのときにかぶる小さな麦わら帽子。ビーズやスパンコールでカラフルに装飾されている。ルーマニアの広い地域で見られる麦わら帽子だが、地域によってサイズやデザインは異なる。

上着 ポーランド 1987年収集 国立民族学博物館蔵

ポーランド中部のウォヴィチ地方の女性用ワンピース。バラの文様の刺繍がほどこされ、この下には同じバラの刺繍があるブラウスを合わせる。ヨコ糸の色を変えることで、1 枚布でしま文様を表現している。


第2章 アジア

上衣 ウズベキスタン 1980年収集 国立民族学博物館蔵

ウズベキスタンの女性用上衣。タテがすりによる大柄なザクロ文様が特徴的。この地域はシルクロードの重要な交易地として栄え、タテ糸に絹、ヨコ糸に木綿をもちいたアドラスと呼ばれるタテ絣が有名である。ザクロは実の中に多くの種があるため、多産や子孫繁栄の瑞祥ずいしょう文様として多くもちいられている。

かぶり布 インド 2007年収集 国立民族学博物館蔵

インド西部グジャラート州の女性用被り布。手つむぎ手織りでつくられた羊毛布2枚を縫い合わせている。インド西部では、ガラスミラーを縫いつけるミラー刺繍ししゅうが有名で、邪視じゃしけの役割があるとされている。


第3章 アメリカ

上着 カナダ 1978年収集 国立民族学博物館蔵

カリブー(野生トナカイ)の毛皮でつくられたイヌイットの男性用パーカー。寒さの厳しいこの地域では、防寒性と保温性に優れたカリブーの毛皮によるパーカーやズボン、保温性と防水性にんだアザラシの毛皮による靴や手袋などは欠かせないものであった。

上衣 グアテマラ 1985年収集 国立民族学博物館蔵

スペイン語でウィピールと呼ばれる女性の貫頭かんとうの一種。これは手織りの布を2枚はぎ合わせてから中央に頭を通すための穴を開けたタイプで、他には3 枚をはぎ合わせるものもある。数多くの村が独自の文様を受け継ぎ、縫取ぬいとりおり刺繍ししゅうによるウィピールをつくり出してきた。


第4章 オセアニア

首飾り オーストラリア 1991年収集 国立民族学博物館蔵

アボリジニの人びとのペンダント。北部のキンバリー地域でよくつくられていたもので、大きな真珠しんじゅ母貝(殻部分)に幾何学きかがく的な文様が、べんがらの赤茶色で描かれている。貴重品として海から遠い内陸にもたらされた。

腰みの パプアニューギニア 1984年収集 国立民族学博物館蔵

パプアニューギニアのトロブリアンド諸島の女性の腰みの。バナナのようしょうなどからつくられている。この地域では、植物の繊維せんいからつくられる腰みのとふんどしが伝統的な衣装であった。


第5章 アフリカ

上着 モロッコ 1991年収集 国立民族学博物館蔵

女性用外套がいとうで、セルハムと呼ばれる。フードつきのケープのような形をしていて、頭上に飾り房がついているデザインも特徴的。手織りの厚みのある羊毛地に、縫取ぬいとりおりで文様を表現する。

肩掛け 南アフリカ 1996年収集 国立民族学博物館蔵

南アフリカのズールー女性の婚礼衣装の肩掛け。祖母や母らが作った複数の飾り布を結婚式前日につなぎ合わせて肩掛けとして使い、式後は一部を前掛けに、残りはさまざまな儀礼で羽織るなど、多様に活用される。


地域展示 石川の“かわいい”子どもの衣装

鬼子母神きしもじんに奉納された着物や祭礼芸能の衣装など、石川県内に伝わる子どもの衣装をあわせて展覧し、身近な装いの文化を紹介する。

百徳着物 明治時代 金沢市・真成寺蔵 重要有形民俗文化財

子どもの成長や病気平癒を願い、金沢・真成しんじょう鬼子母神きしもじんには多くの子どもの着物が奉納された。これはさまざまな布をぎした「百徳ひゃくとく」と呼ばれるもので、布はよその人からもらい受け、数が多いほど良いとされた。背守せもりは魔除けとなる「籠目かごめ」のかざいである。

一つ身  明治時代 金沢市・真成寺蔵 重要有形民俗文化財

鬼子母神きしもじんとの縁により、真成寺の奉納着物にはザクロ文様やザクロ紋を施したものがみられる。多くが友禅染(手描き友禅)で、江戸時代末期から明治時代の品と推定される。真成寺に納めるためにあつらえたと考えられ、当時の友禅染技法を知る上でも貴重な資料である。

「ササラうち」の衣装 昭和40年代まで使用 小松市龍助町町内会蔵

お旅まつりに出される龍助りゅうすけ町の獅子舞(大獅子)は、小松市内に分布する「五十鈴流神楽獅子舞」の元祖とされる。昭和41、2年(1966、67)頃まで、未就学の男児による「ササラ(ザザラ)うち」と呼ばれる役割があった。蝶のついた花笠はながさを被る唐子からこ姿すがたで、いた竹をすり鳴らす「ササラすり」と、皿状のかねを打つ「どう拍子びょうし打ち」の2人が、獅子の正面で演奏した。県内の祭礼衣装としては珍しく、唐子のモチーフが好まれた江戸時代の祭礼の様子を伝えている。
子どもの減少などにより行われなくなったが、令和5年(2023)の祭礼にあわせて衣装を新調し、約50年ぶりに復活した。



会 期
2026年9月19日(土)~2026年11月8日(日)  
時 間
9:00~17:00(展示室への入室は16:30まで)  
休館日
会期中無休 
会 場
特別展示室 企画展示室 
観覧料

一般1,200(960)円 大学生・専門学校生960(760)円

  • *高校生以下無料
  • *( )内は20名以上の団体料金
  • * 65歳以上の方は団体料金
  • *障害者手帳または「ミライロID」ご提示の方および付添1名は無料
  • *上記料金で常設展もあわせてご覧いただけます。
  • *加賀本多博物館は別途、観覧料が必要です
  • *電子チケットもご利用いただけます(日時指定なし)。

※オンラインチケットは9/1よりの発売開始です。


電子チケットのご案内

料金 一般1,200円
大学生・専門学校生960円

ご注意

  • *65歳以上の方をはじめとする各種割引料金の適用を受けられる方は、電子チケットをご利用いただけません。ご来館当日窓口にてご購入ください。
  • *日時指定券ではございませんので、入館枠の確保はできません。

 
関連イベント
記念講演会「対談 染織と装身具の人類学―交易・儀礼・くらしをめぐって」詳しく見る
ギャラリートーク「装いをともにする―ラバーリーの結婚式と刺繍ししゅう布」詳しく見る
ギャラリートーク「極北の冬をまとう―イヌイットの毛皮服の世界」詳しく見る
ワークショップ「かわいいもようを縫ってみよう!」詳しく見る
 
主催
石川県立歴史博物館・国立民族学博物館・千里文化財団
特別協力
北國新聞社
後援
NHK金沢放送局、金沢市教育委員会
TOP